KISA Patent & Trademark Firm

きさ 所員座談会

外国商標座談会

参加メンバー

S・S
弁理士。外国商標部長。事務経験8年、弁理士としてのキャリアは5年。
N・H
事務担当。31年のキャリア。
A・H
事務担当。22年のキャリア。
S・S
事務担当。3年パートとして働いた後、社員となり4年目。

全世界のネットワークと実績を強みに
コミュニケーションとお客様を大切にした仕事を

世界情勢や法制度、情報アクセスの違い……
柔軟かつスピーディーな対応が求められる
外国商標

S・S

外国商標部門では、外国の商標権を取得されたいお客様からのご要望を受けて、現地の代理人と連携を取りながら諸外国で商標登録をするためのサポートを行っています。当所では様々な業態や規模の企業との取引がありますが、どのお客様も日本社会をリードする企業です。その中には、30年以上の長いお付き合いをさせていただいている企業もいらっしゃいます。

国内で商標を取得するのに比べ、外国商標の取得はどのような大変さがあるのでしょうか?

S・S

まず、商標法は国ごとに考え方の違いがあるため、それぞれの法制度に応じた出願対応をすることが一番大変な点かと思います。それから、情報へのアクセスのしやすさの違いによって生まれる弊害があります。日本の商標制度に関する情報は特許庁のウェブサイト等で大体は入手できますが、外国の場合はそういった情報が少ないんですね。自ら積極的に情報を入手し、必要な情報をお客様にお伝えしなければならない点は難しさを感じますね。

N・H

日本の特許庁はデータベースがあり、対応や情報提供もしっかりしているのですが、外国の場合はそうもいかないことがあります。特許庁のホームページがあっても、情報が最新のものかどうかもそうですが、英語以外の言語で書かれていて翻訳を必要とするものも。翻訳ツールがなかった昔は数少ない専門書と現地代理人からの情報を頼りにすることがほとんどでしたが、今はツールを使えるので助かっています(笑)。

A・H

外国とのやり取りでは、例えば紛争等の現地の状況によって手続きが止まってしまうこともあります。一昔前よりも連絡ツールが増え比較的対応しやすくはなってきましたが、現地代理人との連絡に苦労したり、書類の原本を送る場合は現地の郵便事情を考慮しなければならないなど、出願や権利維持以外の部分で大変さを感じることもありますね。先進国を担当する時は比較的安心できますが、紛争が起こる可能性のある地域となると、様々なことに留意する必要があると思います。

強みは、細やかな対応と全世界の
ネットワークを駆使した長年の実績

現地の代理人ネットワークについて教えてください。

N・H

当所には全世界での商標登録取得を検討されるお客様もいらっしゃるので、全世界に現地代理人のネットワークがあります。出願先があまり知らない国だとしでも、大抵社員の誰かが対応したことがあるので、安心して案件をご依頼いただけるかと思います。私も過去に200ヵ国への同時出願に対応したことがありますし、もし商標出願したことない国に登録したいと思う方には当所はおすすめです(笑)。

S・S

お客様の中には、外国への出願となると不安を感じる方も多くいらっしゃいます。また全世界となると、ご予算や期日といった制限もある中で的確な対応が求められます。登録後の変更手続や更新状況の管理も手間を要しますが、現地代理人の協力を得て、お客様の商標権をきちんと管理してきている経験があるというのは、当所の自負する所です。外国商標の仕事は現地代理人に大きく左右されますが、各国で付き合いのある現地代理人とは可能なタイミングで面会し、信頼関係を築けるよう努めています。

きさ特許商標事務所、そして外国商標部門の特徴を教えてください。

S・S

我々は、お客様が相談しやすい距離感と、細かい所まで手が届くサポート対応を大切にしています。

A・H

お客様となる会社ごとに担当スタッフがつくので、簡単な質問なども気軽にしやすいかと思います。また、商標は10年で更新の手続きが必要になるので、お客様とは長いお付き合いになることが多いんですね。10年も経つと、会社の編成や担当者様も変わっていることが多く、先方の担当者様が過去の経緯を知らないということもあります。当所には過去のデータがありますし、過去の変遷を知る担当スタッフもいます。商標関連はもちろんですが、お客様の会社の変遷など会社そのものに対する知見を持っている点でお客様に頼りにされているというのも特徴かもしれません。

お客様第一を掲げ、「お願いして良かった」
と言われる仕事をしたい

仕事をする上で、大事にしていることは何でしょうか。

N・H

一番大事にしているのは、「お客様がしたいことは何か」ということです。会社によってルールややり方もそれぞれ違うので進め方を柔軟に変える必要が出てくることもあります。ですが、どのお客様も商品やサービスの権利を希望する国で取るというのが共通の到達点です。そこにたどり着くために、いかにお客様の方針に沿ってサポートしていくかが私たちの仕事だと思っています。

S・S

英文事務の観点からですと、全世界の国々とやり取りするので、同じ英語でも国によってニュアンスが微妙に異なったりするのは面白いと感じる点です。一方で心掛けているのは、行間を読むことです。現地代理人やお客様とのやり取りは主にe-mail等文書で行うのですが、言葉の行間を読み、現地代理人やお客様が何を言わんとしているのかをしっかり汲み取った上で文章で相手に伝わるように表現し、対応するように心掛けています。

A・H

すべてのことがつつがなく進むことが一番いいと思っているので、焦って対応することのないよう心掛けています。丁寧にきっちり対応した分、お客様からも「お願いして良かった」と心からの感謝の言葉をいただけるので、本当にうれしく思いますね。

S・S

登録できるかわからない内心ヒヤヒヤする案件が、お客様の熱意や現地代理人の努力によってお客様の意向に沿う結果に至った時は、やはりこの仕事をやっていて良かったと感じますね。

英語やコミュニケーションの能力、期限管理。
求められる多様なスキル

仕事をする上で必要なスキルや求められる能力は何だと思いますか。

S・S

商標専門の弁理士の仕事で特徴的なのは、お客様とのコミュニケーションが多いことだと思います。お客様から情報を引き出し、商品を特定して出願するためにも特にコミュニケーション能力が求められる仕事です。あとは他の職種も同様ですが、正確性や細やかさ、文章を書く能力もこの職種を担うための重要な要素でしょう。

N・H

あるといいのが、世界やお客様のお仕事に対する興味。お客様に安心していただくためにも、できる限り世界情勢やその国の状況を知っておいた方がいいですし、お客様の商品やサービスについて知っていればお客様の持つ方向性をキャッチしやすくなると思います。今知識がなくとも、興味・好奇心さえあればキャリアを重ねるに従って自ずと情報が蓄積されるので、さらにお役に立てるようになりますよね。

A・H

最低限の英語の読み書き能力は必要になります。それから、商標に関しては期限管理もあるので、期限や数字を間違えないようにする丁寧さも必要かと思いますね。

S・S

英語に関して言うなら、商標事務は英語をはじめとした語学の素質があり、語学力をベースに専門性の高い仕事をしたいという方には合っていると思います。語学一本で仕事をするのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、ここでなら語学と法律との組み合わせで、手に職を付けることができるので。

期限管理については、どのように管理を行っているのでしょうか。

A・H

事務所としてデータベースを持っている他、受任の進捗状況を各担当スタッフが個別に管理しています。進みが遅い国は気にするようにしていますが、外国で紛争が始まってしまったり、大幅な法改正があったりすると数年音沙汰がないこともあります。積極的にリマインドして現状をヒアリングする必要あるので、ある程度は自分の中に台帳を作ってリマインドするタイミングを設定しておくようにしています。

時代とお客様のニーズを汲みながら、
強みを活かしたサービスを提供したい

S・S

各国の法律や期限の計算方法も結構な頻度で変わります。例えば商標権の更新期限は大体10年ごとですが、その間に法改正が発生していることもあるため、ある時点でデータを出して期日をチェックしたり、リマインダーをお客様にお出しするようにしています。手間は増えますが、法改正があった場合もすぐに反映できるというメリットがありますからね。

最後に、今後のニーズに対する外国商標部門としての対応と、お客様へメッセージをお願いします。

S・S

コロナ禍以降、書類の納品形態も紙ではなく、データで希望されるお客様が増えています。そういったデータ化をはじめ、時代やお客様のニーズに合わせて、我々としても柔軟に対応していきたいと考えています。

N・H

全世界的に登録経験があり、現地の代理人との連携もある当所です。お客様を考え、真心を持って真摯に対応させていただきますので、まずはお気軽にご相談いただけたらと思います。

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